今回の改正では、この規格が基としている国際規格IEC 61557の改正点が反映され、また、安全規格 JIS C 1010-1の最新版が引用されました。
前規格(JIS C 1302:2002)より安全性が向上された規格となっています。

主な改正点

定格測定電圧と
有効最大表示値
指針形もデジタル形と同様に、定格測定電圧と有効最大表示の組み合わせの選択肢が拡大。
開放回路電圧 上限値が定格測定電圧の1.3→1.25倍に変更。
(絶縁抵抗測定時に被測定物を破損する可能性が低減されます。)
定格電流 1mA未満の場合の条件緩和措置が削除。
0~+20%の許容範囲の上限が削除。
過負荷保護要求 直流に対する要求が追加され、誤使用時の安全性が向上。
安全性 最新のJIS C 1010-1が適用。
附属品 “測定に必要な附属品を具備する”という表現を削除し、附属品に対する要求が緩和。
(使用者が必要とするテストリードを選択でき、利便性の向上が期待されます。)
不確かさ “動作誤差”が“動作不確かさ”に変更。
“動作不確かさ”を算出するために必要な“固有不確かさ”が追加。
動作不確かさ 動作不確かさを算出するために使用する項目が変更。
削除項目 下記の要求項目を削除
・応答時間、・目盛、 ・水,固形物,じんあいの侵入に対する保護、 ・衝撃の影響、 ・梱装に対する表示

動作不確かさの詳細説明

絶縁抵抗計における動作不確かさ(B)は第1有効測定範囲において、定格動作条件(*)で得られる不確かさで、使用する機器の不確かさである固有不確かさ(A)と、各影響量による変動(E1~E3)から下式で算出され、JIS C 1302では±30%を超えてはならないと規定されています。


A: 固有不確かさ(%) (*)定格動作条件は以下のとおりです。
B: 動作不確かさ(%) 周囲温度: 0~40℃
E1 姿勢の影響量による変動(%) 姿勢: 水平±90°
E2 温度の影響量による変動(%) 電池電圧: 電池有効範囲
E3 供給電圧の影響量による変動(%)