絶縁抵抗計の測定

概要

絶縁抵抗計は電気機器や電路の絶縁状態を表すもので保安管理上重要な測定項目の一つです。
電気機器や電路の絶縁状態を調べるには、活線の場合、漏洩電流計による方法もありますが、一般には電気機器や電路の使用を停止し、絶縁抵抗計で測定します。

1.低圧回路の測定方法

定格電圧が500V、または250V/125(100)Vのものを使用します。特に回路に半導体素子等が含まれている場合には250V又は、100V等の低い定格電圧の使用が推奨されています。<表1>
開閉器を開放し停電させ低圧電路の電線相互間および電線と大地間を測定します。測定値が基準値以下の場合は、分岐スイッチをすべて開放し、幹線分岐回路ごとに分割測定します。低圧回路の絶縁抵抗値は電気設備技術基準により定められています。<表2>

<表1>定格測定電圧の使用例(JIS C-1302:2014 絶縁抵抗計解説より)

定格測定電圧 使用例
25V / 50V 電話回線用機器、電話回線電路及び防爆機器の絶縁測定
100V / 125V 100V系の低電圧配電路及び機器の維持・管理
制御機器の絶縁測定
250V 200V系の低圧電路及び機器の維持・管理
500V 600V以下の低電圧配電路及び機器の維持・管理
600V以下の低電圧配電路の竣工時の検査
1000V 600Vを超える回路及び機器の絶縁測定
常時使用電圧の高い高電圧設備(例えば、高圧ケーブル、高電圧機器、高電圧を用いる通信機器及び電路)の絶縁測定

<表2>低圧電路における絶縁抵抗値(電技省令第58条より)

電路の使用電圧区分 絶縁抵抗値
300V以下 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が150V以下の場合 0.1MΩ以上
その他の場合 0.2MΩ以上
300Vを超えるもの 0.4MΩ以上

2.ガード端子の使用方法

例えばケーブルの測定のとき<図1>のように心線を囲んでいる絶縁物に裸導線を巻きつけ、これをガード端子に接続すると、表面を流れる漏れ電流がメータ回路に入らないので、体積抵抗のみ測定できることになります。