高圧絶縁抵抗計による高圧ケーブル絶縁劣化診断方法
測定方法
- E端子接地方式は、高圧ケーブル単体の場合に適用する。
- G端子接地方式は、高圧ケーブルに他の高圧機器を含む電路を一括して測定する場合に適用する。
- 高圧絶縁抵抗計の電圧としては、5000V又は10000Vが一般的である。
<第2図>は、G端子接地方式の等価回路であるが、次式により高圧ケーブル絶縁体の絶縁抵抗を求めることができる。
(2)式でRo=10kΩ、Rs=1MΩとするRs>Roとなり、Io=Icとなる。よって、測定部の読みが高圧ケーブル絶縁体の漏れ電流に等しくなる。 一般的に高圧ケーブルには、取引用計器用変成器(VCT)等、他の高圧機器が接続されている場合がほとんどであるため、第1図のG端子接地方式を適用す る。
実務上現場における測定方法としては、最初にE端子接地方式により電路と大地間の絶縁抵抗値を測定する。
例えば、高圧絶縁抵抗計の測 定電圧が5000Vで測定する場合には、測定値が5000MΩ以上のときは、この値をもって高圧ケーブルを含む高圧電路全体の絶縁抵抗値とし、 5000MΩ未満の時は、高圧ケーブルの金属遮へい層の接地線を外し、G端子接地方式により再測定を行う。
また、高圧絶縁抵抗計の測定電圧が10000Vの場合は、絶縁抵抗値を10000MΩとする。
ただし、G端子接地方式により測定する場合には、金属遮へい層と大地間の絶縁抵抗値が1MΩ (注) 以上であることが必要である。
(注1)
弊社高圧絶縁抵抗計の内部抵抗(Ro)は10kΩではありません。
(MODEL 3124:Ro=約170kΩ、MODEL 3125A:Ro=約40kΩ)
よって、G端子接地方式により説明文と同等の測定をおこなうには、金属遮へい層と大地間の絶縁抵抗値がMODEL 3124は17MΩ以上、MODEL 3125Aは4MΩ以上であることが必要です。
(注2)
高圧絶縁抵抗計MODEL 3121A、3122A、3123Aは、入力インピーダンス(Ro)が高いためG端子接地方式では、誤差が大きくなり正しく測定できません。G端子接地方式で測定される場合は、MODEL 3124、3125Aをご使用ください。
(注3)
高圧受電設備指針(改訂版)付録5-1より抜粋資源エネルギー庁公益事業部技術課監修※
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