用語集|お客様サポート|共立電気計器株式会社

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用語集

インバータ

直流を交流に変換する装置です。交流モータの速度を連続的に、かつ広範囲に制御するもので、エアコン、ポンプ、ブロアなどの可変速駆動に使われています。商用電源をいったん直流に変換しフィルタを通し、サイリスタインバータやトランジスタインバータに入力し異なった周波数に変換する装置です。

オートディスチャージ機能

絶縁測定が終了すると自動的に充電した電荷を放電する機能です。

オートレンジ

測定器のレンジが、測定入力信号の大きさに応じて自動的に切り換わることをいいます。

確度

デジタルタイプの計測器の確度については、標準状態で測定値と真値の差を規定したもので下記の様に表示しています。 (±00%rdg±00dgt)
確度の第1項は読み値に対する誤差で、入力の大きさに比例し単位は%で表わされます。第2項は入力によらない一定の値の誤差であることを示し、表示のディジット数で表わされます。

rdgはreadingの略で読み取り値を表し、dgtはdigitの略で数字を表す。
デジタル表示の最小桁を数字で表し、おもにデジタル測定器の誤差要因を表しています。

感電

感電は電撃(エレクトリック・ショック)ともいわれ、例えば漏電している電動機に触れた時、フレーム→手→からだ→足→靴→床(地面)の経路に電流が流れて感電し最悪の場合、生命をも奪う恐れがあります。
感電の程度は人体に流れる電流値、感電時間によって大きく異なり、体質、年令、健康状態などによっても差異を生ずるが、一般的には商用周波の電流が1mAでは膚に感ずる程度、5mAで相当の痛感を覚え、10mAで耐えられないほど苦しく、20mAでは筋肉の収縮がはげしくて自ら回路を離れることができなくなり、50mAでは相当危険で、100mAでは致命的結果になります。

致死電流(心臓に心室細動を起こす電流)の安全限界に関してはダルジール教授が数多くの動物実験によって
 I=165/√t
 〔I=電流(mA)、t=時間(秒)〕
の式を発表しています。これによると1秒で165mAが限界とされています。

感度

測定器が測定量の変化に感ずる度合いで、指示値の変化とその変化を生じさせた測定量の変化との比で表します。

感度=指示値の変化/測定量の変化

共同接地

接地すべきものを一つの接地極に共同に接続する接地方法です。

許容差

基準とした値と、それに対して許容される限界値との差。基準とした値に対する比を表します。

許容入力電圧

入力端子間に加えても差し支えない電圧の最大値のことをいいます。

クランプメータ

クランプメータは、配線をクランプする(はさみこむ)ことにより、回路を切断することなく、通電状態のままで電流を測定することができる非常に便利な測定 器です。一般のマルチメータの場合は、<図1>(a)のように配線を切断して電流測定回路をつなぐ必要がありますが、クランプメータ は<図1>(b)のように配線をクランプするだけで電流を測定することができ、回路への影響も少なく、大電流も簡単に測定することができます。

■電流の測定方法 ■電圧の測定方法
トランスコアを開き、被測定導線の一方のみをはさみ込み、指示値を読んでください。導線は必ず一方(一本)だけをはさんでください。

測定コードを被測定回路に接触し測定してください。

計量単位について

旧計量法では「ホン」という計量単位が使用されていましたが、新計量法の制定に伴い、平成9年10月1日より「dB」という計量単位に統一されました。よって、「ホン」と「dB」は同等の騒音レベルを表します。

高圧絶縁抵抗計による高圧ケーブル絶縁劣化診断方法

測定方法

  1. E端子接地方式は、高圧ケーブル単体の場合に適用する。
  2. G端子接地方式は、高圧ケーブルに他の高圧機器を含む電路を一括して測定する場合に適用する。
  3. 高圧絶縁抵抗計の電圧としては、5000V又は10000Vが一般的である。

<第1図>G端子接地方式による測定例

<第2図>第1図の等価回路

<第2図>は、G端子接地方式の等価回路であるが、次式により高圧ケーブル絶縁体の絶縁抵抗を求めることが
できる。

(2)式でRo=10kΩ、Rs=1MΩとするRs>Roとなり、Io=Icとなる。よって、測定部の読みが高圧ケーブル絶縁体の漏れ電流に等しくなる。 一般的に高圧ケーブルには、取引用計器用変成器(VCT)等、他の高圧機器が接続されている場合がほとんどであるため、第1図のG端子接地方式を適用す る。
実務上現場における測定方法としては、最初にE端子接地方式により電路と大地間の絶縁抵抗値を測定する。
例えば、高圧絶縁抵抗計の測 定電圧が5000Vで測定する場合には、測定値が5000MΩ以上のときは、この値をもって高圧ケーブルを含む高圧電路全体の絶縁抵抗値とし、 5000MΩ未満の時は、高圧ケーブルの金属遮へい層の接地線を外し、G端子接地方式により再測定を行う。
また、高圧絶縁抵抗計の測定電圧が10000Vの場合は、絶縁抵抗値を10000MΩとする。
ただし、G端子接地方式により測定する場合には、金属遮へい層と大地間の絶縁抵抗値が1MΩ (注) 以上であることが必要である。

(注1)
弊社高圧絶縁抵抗計の内部抵抗(Ro)は10kΩではありません。
(MODEL 3124:Ro=約170kΩ、MODEL 3125A:Ro=約40kΩ)
よって、G端子接地方式により説明文と同等の測定をおこなうには、金属遮へい層と大地間の絶縁抵抗値がMODEL 3124は17MΩ以上、MODEL 3125Aは4MΩ以上であることが必要です。

(注2)
高圧絶縁抵抗計MODEL 3121A、3122A、3123Aは、入力インピーダンス(Ro)が高いためG端子接地方式では、誤差が大きくなり正しく測定できません。G端子接地方式で測定される場合は、MODEL 3124、3125Aをご使用ください。

(注3)
高圧受電設備指針(改訂版)付録5-1より抜粋資源エネルギー庁公益事業部技術課監修※

※社団法人 日本電気協会 著作物利用承諾 第3-8号

高調波

電力会社から配電される商用電力は、殆ど歪みのない基本波(サイン波)に近い交流電圧です。これに、抵抗とかコンデンサやコイルなどで構成された、いわゆる線形負荷(定数の値が流れる電流の大きさによって、変わらない負荷)が接続されている場合は、その負荷電流は歪みのない波形になります。しかし、半導体や過飽和のリアクトルなどの非線形負荷(定数の値が流れる電流の大きさによって変わる負荷)が接続されると波形は歪むことになります。波形に歪みを含有した電流即ち高調波電流は、インピーダンスのより低い方へ流れますが、その時、電路のインピーダンスで電圧の降下が発生し、電圧にも高調波電圧を含有することになります。

具体的には、先ず、電力需要家の電気設備に於いて、低圧の負荷設備から発生した高調波電流は、低圧配線→低圧母線へ流れ、変圧器を通じて、よりインピーダンスの低い高圧配線→高圧母線に達し、ついには配電線へと流入することになります。更に、配電線に於いては、他の需要家から流入してきた高調波電流が重畳により大きな高調波電流となります。この巨大化した高調波電流が、配電線の電圧降下をひきおこし、正弦波の電圧波形も歪ませることになります。
このように高調波の発生源は、電流に原因しています。弊社のリーククランプは全て高調波の有無を確認することのできる周波数切換SW付です。
基本波に対して、その整数倍の波を高調波といい、3倍の波が第3次高調波、5倍の波が第5次高調波です。そして、図のように基本波に第3次高調波や第5次高調波のような、高調波が流入してくると波形に歪みが生じることになりこの含有率の大きさによって、電気設備に障害をひきおこしています。

高調波含有率

ひずみ波に含まれている指定された高調波または高調波群の実効値と、
基本波の実効値との比のことをいいます。

コンパレータ機能

基準値を任意に設定し、測定値と比較、表示とブザー音で判定結果を知らせます。

ブザー音はFAIL時PASS時どちらかの選択ができます。

サンプルレート

測定値をA/D変換回路が1秒間に感知する回数です。一般的には2回/秒~3回/秒程度です。

指示値

機器の指示した値をいいます。

周波数応答

応答が周波数によって変化すること、応答の周波数特性といいます。

周波数特性

供給値、測定値などの性能量の値または応答が周波数によって変化することを表します。
交流信号における測定信号は単一周波数ではなく、低周波から高周波までさまざまな周波数帯に及びます。
これらの信号を測定する場合、広い周波数特性範囲をもつ測定器の使用がよりベターです。

実効値(二乗演算回路=RMS:Root Mean Square)

サイリスタおよびインバータ制御等の省エネルギー設備により高調波成分を含み歪んだ電流波形の測定をした場合、平均値形測定器は真の実効値形測定器と比べ 測定値に誤差が生じることがあります。歪みが多い回路には実効値形測定器をご使用下さい。(商用周波数:正弦波 (50/60Hz)に歪が生じていなければ、実効値タイプ平均値タイプ共に同じ測定値を指示します)
RMSタイプの測定器は、瞬時瞬時の波形を内部演算していますので、歪んだ波形の真の実効値測定が可能です。(ある波形の瞬時値の二乗を1周期間で平均した値の平方根を実効値といいます)

上記はサイリスタ制御のモータ負荷を測定したものです。
真の実効値タイプの測定器は7.9Aを指示するのに対して、平均値タイプは5.6Aを指示します。

ステップ電圧(SV):Step Voltage

絶縁物に欠陥がある測定物の場合、印加電圧を上げるにつれて、抵抗値が下がる現象が見られます。ステップ電圧試験はこのような現象を確認するための試験です。設定時間ごとに5回、等しいステップで印加電圧を増加させて絶縁抵抗値を測定します。印加電圧の増加により絶縁抵抗値に低下が見られるときは、測定物の絶縁劣化が考えられます。

例:KEW 3128のSV画面

生活騒音について

生活騒音て何?・・ 身近な騒音を知るために・・・

目に見えない音は、個々の生活環境によって不快に感じる程度が異なるため、騒音は肉体的にも精神的にも大きなストレスの原因になることがあります。最近で は環境騒音に加え、深夜営業店舗の自動車等による駐車場騒音や、路上での人の声がトラブルになるケースもあります。70dB以下の等価騒音レベルが、生涯 にわたって曝露されても聴力障害は生じないと期待されています。「生活騒音」についても数値基準を設ける検討をする自治体が増えてきました。騒音を受ける 側も、いつ騒音を与える側になるかわかりません。

成極指数(PI):Polarization Index

絶縁体の漏れ電流の時間的増加の有無を調べる試験です。
成極指数を表すには、一般的に印加時間10分間での絶縁抵抗値と印加時間1分間の絶縁抵抗値の比で表します。成極指数は、絶縁体の形状、大きさに無関係な量で吸湿により変化するので、ケーブルの絶縁診断をおこなう上で重要な意味を持っています。



成極指数による判定は以下のとおりです。

正極指数 1.0以上 1.0~0.5 0.5以下
判定 要注意 危険な状態

接地抵抗の測定方法

1.測定原理

本器は電位降下法で接地抵抗測定を行っています。電位降下法は、測定対象であるE(接地極)とC(電流電極)間に交流定電流Iを流し、EとP(電位電極)の電位差Vを求め、接地抵抗値Rxを求める方法です。

2.精密測定

(1)補助接地棒の打ち込みと配線
   被測定接地体から約5~10m間隔で、ほぼ一直線上に補助接地棒P端子用、C端子用それぞれ大地に深く埋め込
   み、本器のE、P、C端子から測定プローブ(緑)(黄)(赤)を被測定接地体、補助接地棒P、補助接地棒Cの
   順に接地します。
 注1.補助接地棒はできるだけ湿気の多い土の部分に打ち込んでください。
   やむを得ず乾燥したところ、または小石の多いところや砂地の場合は、補助接地棒を打ち込んだ部分に水をかけ
   て十分に湿気を持たせてください。
 注2.コンクリート上では補助接地棒を寝かせて水をかけるか、濡れ雑巾等を補助接地棒の上にかけて測定してくだ
   さい。

(2)地電圧のチェック
   (1)の状態でレンジをEARTH VOLTAGE(地電圧測定)にしてください。
   この時、指針が振れる場合は地電圧が存在します。この電圧が3V以下であることを確認してください。
   もし、3V以上の場合は接地抵抗の測定値に大きく誤差を 生じる可能性がありますので、被測定接地体を使用
   している機器の電源を切るなどして、地電圧を低くしてから接地抵抗の測定を行ってください。
(3)精密測定
   まず×100Ωレンジ(最大レンジ)にしてから測定スイッチを押してください。LEDが点灯して測定中であること
   がわかります。接地抵抗値が低い場合は順に×10Ω、×1Ωレンジに切り換えてください。

3.簡易測定

ビルや病院などで床面がコンクリートの様に補助接地が取れない場合に、補助接地極に補助接地棒を使わずに使用する方法です。

測定条件
(1)補助接地極の抵抗値が判っているものでなければいけない。
(2)補助接地極の抵抗値が被測定極の抵抗値に比べて無視できる程度に低いこと。
(3)埋設された水道管などの接地抵抗が充分に低いこと。

測定方法
(1)<図3>の様に、E端子を被測定極、P端子を水道管などに接続する。
(2)2項の(2)・(3)について確認後、本体の測定ボタンを押す。
(3)本体の指示(Re)は、被測定極の抵抗値(Rx)と補助接地極の抵抗値(re)の和を示す。
(4)よって、被測定極の抵抗値(Rx)は次式により求めることができる。

4.測定結果の良否

電気設備技術基準では、<表1>の通り接地工事の種類と接地抵抗が定められており、この値を維持する必要があります。

表1 接地工事の種類と接地抵抗

接地工事の
種類
接地抵抗値接地線の太さ電圧の種別による機器
A種(第1種)
接地工事
10Ω以下 直径2.6mm以上 高圧用又は特別高圧用の機械器具の鉄台及び金属製外箱
B種(第2種)
接地工事
計算値
(注1)
直径4mm以上 高圧又は特別高圧の電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側の中性点
(中性点がない場合は低圧側の1端子)
D種(第3種)
接地工事
100Ω以下
(注2)
直径1.6mm以上 低圧用機械器具の鉄台及び金属製外箱
(300V以下のもの。但し、直流電路及び150V以下の交流電路に設けるもので、乾燥した場所に設けるものを除く。)
C種(特別第3種)
接地工事
10Ω以下
(注2)
直径1.6mm以上 低圧用機械器具の鉄台及び金属製外箱
(300Vを超えるもの。)

注1.
変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流アンペア数で150(変圧器の高圧側の電路と低圧側の電路との混触により、低圧電路の対地電路が150Vを超えた場合に、2秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を設けるときは300)を除した値に等しいオーム数以下。

注2.
低圧電路において、その電路に電流動作形で定格感度電流100mA以下、動作時間0.5秒以内の漏電遮断器を施設するときは500Ω以下でよい。

絶縁抵抗計の測定

概要

絶縁抵抗計は電気機器や電路の絶縁状態を表すもので保安管理上重要な測定項目の一つです。
電気機器や電路の絶縁状態を調べるには、活線の場合、漏洩電流計による方法もありますが、一般には電気機器や電路の使用を停止し、絶縁抵抗計で測定します。

1.低圧回路の測定方法

定格電圧が500V、または250V/125(100)Vのものを使用します。特に回路に半導体素子等が含まれている場合には250V又は、100V等の低い定格電圧の使用が推奨されています。<表1>
開閉器を開放し停電させ低圧電路の電線相互間および電線と大地間を測定します。測定値が基準値以下の場合は、分岐スイッチをすべて開放し、幹線分岐回路ごとに分割測定します。低圧回路の絶縁抵抗値は電気設備技術基準により定められています。<表2>

<表1>定格測定電圧の使用例(JIS C-1302:2014 絶縁抵抗計解説より)

定格測定電圧使用例
25V / 50V 電話回線用機器、電話回線電路及び防爆機器の絶縁測定
100V / 125V 100V系の低電圧配電路及び機器の維持・管理
制御機器の絶縁測定
250V 200V系の低圧電路及び機器の維持・管理
500V 600V以下の低電圧配電路及び機器の維持・管理
600V以下の低電圧配電路の竣工時の検査
1000V 600Vを超える回路及び機器の絶縁測定
常時使用電圧の高い高電圧設備(例えば、高圧ケーブル、高電圧機器、高電圧を用いる通信機器及び電路)の絶縁測定

<表2>低圧電路における絶縁抵抗値(電技省令第58条より)

電路の使用電圧区分 絶縁抵抗値
300V以下 対地電圧(接地式電路においては電線と大地との間の電圧、非接地式電路においては電線間の電圧をいう。以下同じ。)が150V以下の場合 0.1MΩ以上
その他の場合 0.2MΩ以上
300Vを超えるもの 0.4MΩ以上

2.ガード端子の使用方法

例えばケーブルの測定のとき<図1>のように心線を囲んでいる絶縁物に裸導線を巻きつけ、これをガード端子に接続すると、表面を流れる漏れ電流がメータ回路に入らないので、体積抵抗のみ測定できることになります。

絶縁抵抗計の有効測定範囲

測定範囲のうち精度が保証される範囲を有効測定範囲をいい第1有効測定範囲と第2有効測定範囲の区別があります。

第1有効測定範囲
有効最大目盛値の1/1000の目盛値から、1/2の目盛値までを基本とする
(ただし、有効最大目盛値の1/2の目盛値が主分割でないときは、これに近い主分割の目盛値まで)

第2有効測定範囲
第1有効測定範囲以外の目盛

例:絶縁抵抗計(500V/100MΩ)
第1有効測定範囲 0.1~50MΩ(指示値の±5%)
第2有効測定範囲 50~100MΩ(指示値の±10%)

測定値

測定によって求めた値をいいます。

ダイオードテスト

ダイオードやトランジスタがONするのに必要な電圧に与えて一定電流を流し、その順方向の電圧降下を測定しダイオードの正、逆を判断する機能です。

大地抵抗率

大地抵抗の大きさをあらわすもので、1m2 あたりの土壌の抵抗値のことをいいます。
大地抵抗率は、土の種類や含水率、温度などで大きく変化します。

土の種類 大地は泥・粘土・砂・岩などさまざまなもので構成されているため均質ではありません。
さらに、地層などもあるため、測定する場所によっても、また、測定する深さによっても抵抗率はかわってきます。
水分の量 大地の含水量が多いほど大地抵抗率は低くなります。
温度 一般的に抵抗率というものは物質の温度によって変化します。
金属などは温度上昇とともに抵抗が増加し、それに対し絶縁体や半導体は減少しますが、大地は金属とは違い、温度の高いほうが抵抗率が低くなります。
したがって季節の変化によって、その時々で抵抗率が変わることが言え、日本の場合は、夏に大地抵抗率が低く、地面が凍る冬は抵抗率が高くなります。

測定原理

ウェンナーの4電極法によって E(接地極)と H(C)(電流電極)間に交流電流 I を流し、S(P)(電位電極)と ES(補助接地電極)間の電位差 V を求めます。
この電位差 V を交流電流 I で割れば接地抵抗 Rg(Ω) が求まり、電極間隔を a(m) とすれば、

ρ = 2×π×a×Rg(Ω・m)

で求められます。

測定方法

4本の補助接地棒をほぼ一直線上に 1 ~ 30m 間隔で等間隔に打ち込みます。このとき、補助接地棒の打ち込み深さは各補助接地棒間の距離の5%以下にしてください。深すぎると大地抵抗率の測定値に誤差を生じる可能性があります。

注:付属の測定コードで測定できる最大の間隔は20mです。
注:付属の補助接地棒の長さは20cmです。

デシベル:dB(低周波出力)

電気信号の振幅変化や音響レベルなどを表現するために用いられる単位です。
電圧比の1:10は-20dBに相当し、電圧比10:1は20dBになります。さらに100:1は40dB、1000:1ならば60dBとなります。電力(P)は電圧(E²)の二乗に比例しますので電力比10:1は10dBで、20dBではありません。

デマンド測定

デマンド契約について

デマンド契約とは電力会社が設置した記録計(デマンド計)が記録した30分間の最大電力から電力の基本料金を決定する電力会社との契約です。
仮に年間500kWで契約していて1月15日の30分間の最大電力600kW(500kWに対して100kW超過)がデマンド計に記録されると、どんなに節電をしても2月から1年間は600kWの契約になり、基本料金が高額になります。1年後の2月の時点でデマンド計に300kWを使用すると、300kWの契約になりますが、3月に600kW使用すると、また1年間は600kWの契約になります。これを防ぐために大規模工場等ではデマンド監視を行っています。
また、上記の場合で600kWから300kWで契約できたとすると効果は
(600-300)×1kW(単価)×力率=節減金額(効果)が求められます。

KEW 6305/KEW 6315のデマンド測定機能

KEW 6305/KEW 6315を使用することによって目標(契約電力)設定した電力を超えないように使用状況を簡易的に監視することが出来ます。但し、電力会社の設置したデマンド計と本製品とでは、タイムラグがあるため完全に一致はしません。本製品のデマンド測定機能を使用して決められた時間内の最大電力を記録しておくと電力の管理に最適です。

電圧感知機能

ケーブル、コンセント等に電圧が印加されていると、その電圧に応じた電界が発生します。
2300R(キューフォーク)はその電界を感知することによりAC電圧の存在を確認できます。
正しくは電界感知形測定器なのですが、耳慣れない言葉なので非接触電圧感知機能と呼ぶことにしました。
一般の検電器は有極電圧(接点および端子)に接触させて電圧を感知します。
これに対し本製品は安全にご使用いただくために、非接触でありながら、この機能を満足させるために開発
しました。

データホールド

測定表示を一般的に固定し、測定環境に対応して測定値の確認や記録を容易にする機能です。

ドリフト

すべての状態が一定に保たれているとき、規定された時間中の機器の指示値、表示値または供給値の一般に緩やかで継続的な好ましくない変化をいいます。

2重積分方式

電圧を時間に変換する方式で、第1積分時間(Ts)と第2積分時間(Tx)からなり、はじめに入力電圧(Vx)を一定時間積分(Ts)し、次にこれを基準電圧(Vr)で0になるまで逆積分(Tx)します。
逆積分時間(Tx)は入力電圧(Vx)に比例した時間になります。この時間を測定することにより入力電圧(Vx)を求めることができます。
この方式は、高確度、高分解能でノイズ除去比が大きく、安定した測定が可能です。特に50Hz、60Hzなどのライン周波数に対して、ノイズ除去比を大きくとることができるのです。弊社のデジタルメータは全てこの方式を採用しています。

入力インピーダンス

直流を扱う測定器では単に入力抵抗ということもあります。動作状態で機器の入力端子から機器側を見たインピーダンスで、通常並列接続された抵抗と容量の値で等価的に示されます。又これと逆のことを出力インピーダンス(出力抵抗)といいます。
入力インピーダンスの低い測定器は、測定対象に対して負荷となるので誤差を生じ、充分な測定結果が得られないことがあります。したがって、入力インピーダンスの高い測定器を選択することがよりベターとされています。

熱電対

熱起電力を発生させる目的で2種類の導体の一端を電気的に接続したものをいいます。熱電対の接合点(測温接点)を測定しようとする温度におき、他端(基準接点)を一定温度(たとえば0℃)に保ち温度を測定します。この熱起電力は熱電対の種類と二つの接点の温度差によって定まります。

波形率

実効値の平均値に対する比をいいます。
波形率=実効値/平均値

波高率(クレストファクター)

最大値の実効値に対する比をいいます。 測定器の入力のレンジの何倍の入力まで線形に動作するかを表します。

波高率=最大値/実効値

  • 正弦波の場合
    クレストファクター=141/100=1.41となります。

ひずみ率

波形のひずみの程度を表すもので、一般には高調波の実効値と基本波の実効値との比のことをいいます。

ピーク値(波高値)

波形の最も振幅の大きい点の値をいいます。

ピークホールド

電流の一定時間内のピーク値を記録する機能
ピークホールド機能の測定値はピーク電流波高値の1/√2で表示されます。
(入力が正弦波の場合、実効値換算表示になります)
※応答時間:約10ms、100msの2段切り換え

分解能

測定値を読み取ることができる測定量の最小変化、または設定できる供給量の最小変化を表します。

平均値

交流の半周期間の瞬時値の平均値。一般のテスター等の指示はこの平均値です。

  • 正弦波の場合
    平均値=最大値×2/π=最大値×0.637
  • 実効値が100Vの場合
    平均値=最大値×2/π=141×0.637=90(V)
一般のテスターでは平均値を指示するが、この値が正弦波の実効値になるように修正されています。
これを平均値検波実効値指示型と呼びます。よって正弦波以外の波形の場合は誤差になります。
これに対して、実効値が直接測定できるタイプを真の実効値タイプと呼び区別しています。

偏位法

測定量を原因として、その直接の結果として生じる指示から測定量を知る方法をいいます。
たとえば測定量の電流によって電磁力を生じ指針を振らせる可動コイル形直流計などの一般のアナログ計器、及びデジタル計器も偏位法を持っています。

放射率の目安

測定対象物
Material
放射率
Emissivity
測定対象物
Material
放射率
Emissivity
水・氷
Water,Ice
0.98 布・繊維(色付)
Cloth,Fabric(colored)
0.95

Soil
0.92~0.96 皮・毛皮
Leather,Fur
0.96
コンクリート(湿)
Concrete(Wet)
0.96~0.98 人体の皮膚
Human Skin
0.99
コンクリート(乾)
Concrete(dry)
0.91~0.95 野菜・果物
Vegetable,Fruit
0.98
セラミック
Ceramic
0.85~0.95 パン・菓子の生地
Dough
0.98
石・石綿
Plaster,Asbestos
0.92 肉類
Meat
0.98
プラスチック
Plastic
0.90~0.95 酸化銅
Copper-Oxide
0.5~0.6
ゴム(黒色)
Rubber(black)
0.95 酸化鉄
Ferro-Oxide
0.7~0.8
木材
Wood
0.98 ペイント面
Painted surface
0.8

Paper
0.92 タイル
Tile
0.8

物体から放射される赤外線の量は、材質、表面状態、測定温度などによっても異なりますが、表中に測定対象物の放射率(参考値)を記します。

ホール素子

導体中に電流を流して、それと直角方向に磁界を加えると、それぞれに直角な方向に電圧を発生します。この現象をホール効果といい、この現象を用いた素子をホール素子といいます。
弊社のAC/DCクランプメータ及びクランプセンサにはこのホール素子が採用されています。

漏れ電流測定方法

活線状態での絶縁測定が可能

測定方法 回路又は機器の漏電部分の探査(負荷側で5mA漏電している場合)

ブレーカの二次側(零相測定)もしくは、アース線(線電流測定)にて、回路の漏れ電流の有無の確認をしてください。漏電している場合には、零相測定にて、クランプ式漏れ電流計の表示値が、5mAを示している回路を順に追っていけば、容易に漏電箇所を捜すことができます。

※抵抗値の計算方法(V=IRにより)
100V÷5mA(100÷0.005)=20,000Ω
20,000Ω=20kΩ=0.02MΩになります。

また、省エネなどの目的で、インバータ内蔵商品の普及が増え、高調波の影響により、漏電ブレーカがトリップする事故が増えています。弊社のリーククランプメータは高調波除去フィルターを内蔵していますので、漏電ブレーカがトリップした原因が、漏電によるものか、高調波の影響によるものかがチェックできます。

※注.上記の0.02MΩはあくまでも目安です。

周波数切換機能について

キュースナップ2412、2413F、2413R、2431、2432、2433、2433Rには、周波数特性を切換えることができる「周波数切換スイッチ」が装備されています。これは、「ワイド」と「50/60Hz」の2つのレンジを持ち、「ワイド」は40Hz~1kHz以上の広い帯域幅の特性、「50/60Hz」は高い周波数をカットした周波数特性になっています。つまり、高調波の混入の疑いがある場合、このスイッチを切換えることによって、高調波の有無を確認することができます。<図-2>は、絶縁状態が良好にもかかわらず、高調波の影響によって「ワイド」測定時に大きな指示となった例です。

<図-2> 測定例/キュースナップ2413F(200mAレンジ)にてキュービクル内B種アース線を測定

誘電吸収比(DAR):Dielectric Absorption Ratio

誘電吸収比(DAR)は、絶縁の時間経過試験という意味では成極指数(PI)と同じ方法です。唯一の違いは、結果を得るための時間が短くなっています。

誘電吸収比による判定は以下のとおりです。

誘電吸収比 1.4以上 1.25~1.0 1.0以下
判定 最良 不良

誘電体放電(DD):Dielectric Discharge

この試験は、多層絶縁の診断に適用されます。測定終了1分後の放電電流値および測定物の容量値を測定することにより、多層からなる絶縁物中に不良がある場合の診断にすぐれた測定方法です。



誘電体放電による判定は以下のとおりです。

誘電体放電 2.0以下 2.0~4.0 4.0~7.0 7.0以上
判定 要注意 不良 非常に悪い


この判定基準は目安ですので、経験に基づいた調整、変更が必要な可能性があります。
欧州にて発電所の高圧発生機器を測定するために開発された測定方法です。